2009年12月5日土曜日

前回の続きです。

 シンポジウムで江戸東京野菜ネットをやっている方の話がありました。過去の野菜ではなく今でも栽培されているものや復活しているものもあり、興味津々聞き入っていました。小松菜は江戸川区小松川の伝統野菜、練馬大根はあまりにも有名です。ほかにもあって当たり前なのですが、なんとなく東京には伝統的なものはないのでは、という先入観で見ていたのでしょう。ところが、品川カブ、亀戸大根、滝野川ゴボウ、滝野川ニンジン、墨田区寺島ナス、千住ネギ、谷中生姜、あるものですね。そのなかに、早稲田ミョウガというのがありました。神田川沿いで早稲田鶴巻町周辺が産地だったそうです。私が育ったところがその近所でしたから大変びっくりしました。全くその存在を知らずに育ちましたので、そんなのがあったんだ〜。

 話によると、田山花袋の作品(明治14年)では早稲田あたりはまだ田んぼがあり、ミョウガもあったようですが、夏目漱石が夏目坂に引っ越してきた時には(明治40年頃)にはもう早稲田には田んぼがなく、ミョウガの産地ではなくなっていたわけです。そのミョウガを探そうと、今早稲田大学の学生数名と探索プロジェクトを始めようとしているところだそうです。つぶつぶカフェ、ボナ!つぶつぶがある地域なのでできることを応援できたらいいなと、思っているところです。

2009年12月2日水曜日


 山形在来作物研究会のシンポジウムに参加してきました。この会は在来作物や伝統野菜の発掘と普及を目的に活動をすすめています。山形県にはそう言う野菜が多くあります。焼き畑で作られる温海カブと山形青菜は特に有名ですが、ほかにも庄内地方には、じくの赤い平田ネギ、だだ茶豆、宝谷カブ、大滝ニンジン、野菜ではないのですが、「夏子の酒」にとりあげられ有名になった酒米としての「亀の尾」があります。その育種をしたのが庄内余目町の百姓でした。コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなど有名ブランド米の祖先にあたり、山形で売り出し中の「つや姫」もその系統です。

 置賜地方には、へそ南瓜、雪の下から掘り出して食べるひろっこ(あさつき)と雪菜、紫色の食用菊もってのほか、長漬けしても歯切れよく漬かる花作り大根、まだまだいっぱいの在来野菜があります。(つづく)

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